岩手山の噴火警戒レベル上昇に伴う情報まとめ(2024年10月3日14時30分時点)
お知らせ2024年10月03日
HP公開:2024年10月3日12時00分
最終更新:2024年10月3日14時30分
※噴火警戒レベルの解説、避難の行動、噴火が起きる前の備え
岩手県・各市町村等からの情報提供に火山防災マップ情報
を更新・追加しました。
2024年10月2日15時に、仙台管区気象台より、岩手山の噴火警戒レベルがレベル1からレベル2に引き上げとなることが発表されました。
■該当情報は「こちら」
気象庁 火山活動の状況「岩手山の活動状況」
※警戒レベルが引き上げられたという段階であり、2024年10月3日午前11時現在では噴火したわけではありません。
これに伴い、岩手県立大学防災復興支援センターでは、各機関が公開している岩手山の火山活動に関する情報公開ページへのリンクまとめ、各種専門用語の解説等を公開していきたいと考えています。これらの情報が、地域の皆様の災害への備えの一助となることを願ってやみません。
■そもそも「噴火警戒レベル」って何?
噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲」と防災機関や住民等の「とるべき防災対応」を5段階に区分して発表する指標です。
引用:気象庁 「噴火警戒レベルの説明」より、
我が国には、111の活火山(今後、噴火する可能性がある火山のこと)がありますが、このうち噴火の予兆等を24時間体制で観測する常時観測火山50のうちの49の火山が、この噴火警戒レベルを導入しています。岩手山は、この常時観測火山のひとつであり、「噴火警戒レベル」を導入し、火山活動に応じた避難・警戒情報等を提供することになっている火山でもあります。
これまで岩手山は、この噴火警戒レベルの1番下の段階 「噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)」という状態であったのですが、
これが、2024年10月2日15時より、下から2番目の段階「噴火警戒レベル2(火口周辺規制)」という段階に警戒レベルが上がりました。
※その他の噴火警戒レベルの詳細については、気象庁 「噴火警戒レベルの説明」をご覧ください。
■噴火警戒レベル上昇に伴う岩手山の入山規制について
噴火警戒レベルの上昇に伴い、岩手山は2024年10月2日15時から、登山道への入山規制(入山禁止)がしかれることとなりました。
同日17時頃には緊急速報メールによる告知もなされ、登山中のみなさんにも至急下山するよう、呼びかけがなされています。
※本来、噴火警戒レベル2は「火口周辺への立ち入り規制」なのですが、岩手山では火口周辺だけを入山規制することは難しい環境であるため、「岩手山火山避難計画」において、噴火警戒レベル2の段階で、滝沢市、八幡平市、雫石町の3市町は入山規制を行うことがあらかじめ定められていました。
岩手山への入山は規制されていますが、三ツ石山等、その他の山への登山は可能です。また、現時点で日常生活に支障をきたすものではありません。
なお、規制されている登山道については、下記の八幡平市、雫石町のHP上で確認できます。
今後、さらに噴火警戒レベルが上昇した場合の岩手山の入山規制・避難対応については。
気象庁「岩手山 噴火警報と噴火警戒レベル」のリーフレット(令和3年12月発行)にも解説があります。
■岩手県・各市町村等からの情報提供
(1)岩手県
防災ポータルサイト「岩手山噴火情報」、「岩手山火山避難計画」、「岩手山の火山防災マップ」
(2)盛岡市
「岩手山の火山活動状況について」
※盛岡市の防災マップ 情報面には、各噴火警戒レベルでの盛岡市への影響についてまとめている項目があります。
「盛岡市防災マップ」の「02-1_盛岡版(情報面 P1~P14)」、「02-1_玉山版(情報面 P1~P14)」を参照してください。
(3)滝沢市
「岩手山の噴火警戒レベルが「2」に引き上げられました」
「滝沢市防災マップ」リンク先PDFの4頁目に火山災害についてまとめている項目があります。
(4)八幡平市
「岩手山に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が発表されました」
「岩手山火山防災マップ」※西側で水蒸気爆発、東側でマグマ噴火が起きた場合
(5)雫石町
「【2024/10/2】岩手山に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)」
「雫石町防災マップ」※リンク先2頁目が岩手山噴火時のハザードマップとなります。
(6)気象庁
火山活動の状況「岩手山の活動状況」
「岩手山 噴火警報と噴火警戒レベル」
「岩手山の降灰予想」
■住民の生活はどう変わるのか?
現時点(2024年10月3日午前11時現在)では岩手山の入山を行わなければ、普段と変わらない生活を続けていただいて構いません。
■観光客はどうするべき?
現在、岩手山への入山は規制されていますが、岩手県自体への渡航を取りやめる必要がある状況ではありません。
また、岩手山以外の三ツ石山等、その他の山への登山は可能です。
■火山噴火が起こる前にできる備えは?
(1)あらかじめ、「岩手山の火山防災マップ」を確認いただき、自分の居住地への影響を確認しましょう。
※噴火場所が想定外の場所となった場合は、状況が異なる場合もあります。
(2)火山灰への備えについて
風向きによっては盛岡市の中心市街地等でも1cm程度の降灰が起こりうるとされています。
これに備えるためには、花粉症対策などと同様に、以下のような備えをしていただくと安心です。
・気管支保護のために、家庭のマスクの在庫確認(目安1箱 約1カ月分)
・目の粘膜保護のために、ゴーグルの調達の検討
火山灰もたまりつづけると解けない雪のように家屋を押しつぶすような状況になる場合もあり、
必要に応じて火山灰の屋根からの撤去、道路・排水溝からの除去の対応なども生じることもあり、
その作業に備える意味でも、マスクやゴーグルの準備は必要となります。
(3)火山灰による社会インフラへの影響
火山灰の降灰範囲によっては、
・停電 →降灰の重さによる電線の断裂等
・断水 →水源への影響や停電によるポンプ設備の停止等
・公共交通機関の運行停止 →指揮所との通信障害、航空機エンジンへの影響等
といった事態が発生します。
このため、外出が困難となったり、物流に影響が出る状況も考えられます。
改めて、各家庭での災害備蓄食糧等の点検、拡充等をご検討ください。
■実際に噴火が起きた場合はどのような行動・避難が計画されているのか?
(1)避難計画について
実際に岩手山が噴火した場合、各地区でどのような避難行動が求められているのか、「岩手山火山避難計画」にまとめられています。
(2)降灰が予想される場所について
避難しない場合でも、風向き等を確認しながら、降灰が予想されるのかどうかによって、その日ごとの生活の仕方に変化が生じるでしょう。
気象庁では噴火する前から、もし、今、岩手山が噴火したとしたら、今日はどのような範囲に降灰が予想されるのかをHP上で公開しています。
こちらの情報を参考にしてみてください。
気象庁「岩手山の降灰予想」
本情報サイトは、岩手県立大学防災復興支援センター 副センター長 杉安和也(総合政策学部)が情報掲示への監修を行いました。