避難行動要支援者の個別避難計画作成の支援について

災害時の避難に関する課題

学校では「避難訓練」をしていたはずなのに、実際に「避難する」ことができない。

→ 大雨、土砂災害などの警報が発表されているにもかかわらず、「雨はすぐにやむから大丈夫」など考えてしまうのは、「正常性バイアス」という心の働きや、これまでは大丈夫だったという知識や経験から、「逃げない」という選択をしてしまいがちです。
→ 近年の豪雨災害では、「高齢者」や「障がい者」など避難に時間がかかる方(避難行動要支援者)の死者が多くなっています。
一方で、「高齢者等避難」の避難指示で行動を始めれば、被災リスクを軽減することができることも分かっています。
→ 避難とは、「難を避け、自分の安全を確保する」ことを指します。自分のハザードを知ることで、「いつ逃げるのか」を決めておくことで、逃げ遅れを防ぐことが大切です。

内閣府では、令和3年度に市町村に避難行動要支援者の個別避難計画の作成を努力義務としていますが、手間と時間がかかるので、作成がいまいち進んでいない。

→ 市町村では、避難行動に時間がかかる人の名簿は作っていますが、個人ごとに作成する個別避難計画の作成に苦慮しています「避難したくない人」もいる、「避難させる人がいない」という地域課題があります。
→ 平時に福祉サービスを使われている災害時避難行動要支援者が多いため、福祉関係者と防災関係者が平時に結びつくための枠組みが必要です。

岩手県立大学が提供する個別避難計画の作成支援について

① 研修講師の派遣

個別避難計画作成のための研修会やワークショップ開催のために講師派遣を行い、「避難する」意識づくりを支援します。
(例えば)
・福祉関係者向けの防災に関する基礎研修
・行政職員向けの個別避難計画作成研修
・要支援者向けの個別避難計画作成ワークショップ

② 避難訓練の実施

作成した個別避難計画を基にした、福祉避難所設置避難訓練をお手伝いをします。
実際に作った個別避難計画でスムーズに行動することができるか、道順はどうか、市町村と受け入れ施設との調整に問題はないのか、実践訓練を行います。
・行政で行う福祉避難所設置訓練
・地域で行う避難訓練